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ネットワークストレージ(NAS) 商品選びのコツ

ネットワークストレージ(NAS) 商品選びのコツ ネットワークストレージ(NAS)に関する用語やシチュエーションに合わせた商品の選び方のコツを解説します。商品選びの疑問や不安を解消し、商品選びのサポートをいたします。

(最終更新日 2020年8月28日)

ネットワークストレージ(NAS)について

NASとはネットワークを介してデータを利用/管理できるストレージの1つで、データの利用/管理する場所を選ばないことが大きなメリットです。外付けHDDはUSBなどで接続している1台のパソコンしかフォルダーの閲覧やファイルへの書き込み等が出来ませんが、NASはネットワークを経由して複数のパソコンで同時にフォルダーを共有することができます。

NASは1つのファイルを複数の部署で共有/管理したり、パソコン上の大切なデータ(メール、文書、資料)やサーバーのバックアップ用として利用されます。アクセス制限機能があれば、特定のグループやメンバーのみにアクセス権を付与することで、セキュリティを保つこともできる商品です。

働き方改革などで、自社以外での業務も想定してNAS導入の検討をされている企業も増えているのではないでしょうか。ただ、普段馴染みが薄い商品かつ専門知識も必要になるため、商品選びが難しいかもしれません。このページでは、初めてのNAS導入でも困らないよう、お客様のご利用シーンに合わせて各条件の解説や選び方をご紹介します。

用語解説・条件選びのコツ

NAS(ネットワークストレージ)の各種条件についての用語解説、お客様のご利用シーンを想定した条件選びのコツを記載します。

NAS販売メーカーの特徴とおすすめポイントをご紹介します。NAS選びにお困りの方は、まずは以下の人気メーカーから商品を探してみてはいかがでしょうか。

メーカー 特徴・おすすめ

バッファロー

BUFFALO TM
トラブル時のシステムダウンを防ぐ「ファームウェア二重構造」等による安全性とコストのバランスが取れているNASの取り扱いが特徴です。
10GbE/2.5GbEポート搭載で、同規格のスイッチと組み合わせてデータ読み書きの高速化が可能です。また、無料で利用できるリモート管理サービス「キキNavi」にも対応。稼働状況の把握や遠隔簡易操作が可能となり、管理者の負担を軽減します。
もしもの時に安心なメーカー保守パックもイー・クイックスでお取り扱いしています。

アイ・オー・データ機器

I-O DATA
初めての方でも安心・簡単を目指して使い勝手が良く、導入しやすい価格ながらも高いセキュリティ性と高信頼度を誇るLinux搭載OSモデルが特徴です。
NASのデータ消失リスクを低減したRAIDにかわる冗長化技術の「拡張ボリューム」を搭載。また、お客様に代わってクラウドサーバーがNAS製品の状態を把握する無料のサービス「NarSuS(ナーサス)」をご用意。万が一の障害時には対処方法を分かりやすくご案内致します。
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各メーカーの特徴とおすすめポイント

NASの筐体タイプは大きく分けてタワー型(デスクトップ型や据え置き型、Cube型とも言う)とラックマウント型の2種類があります。タワー型はデスクトップパソコンのような見た目でラックマウント型と比べると高さはありますが、比較的コンパクトです。ラックマウント型はタワー型よりも薄型で棚(ラック)に積み上げるように設置できる筐体のことを言います。

タワー型 ラックマウント型

タワー型でもラックマウント型でも仕様が同じ場合、パフォーマンスは同じです。設置場所をコンパクトにしたい、HDD拡張の可能性が低い場合等は、タワー型をおすすめします。専用のサーバールーム/棚がある、HDD拡張の可能性が高い、ラックマウント型サーバーのバックアップ用として利用する場合等はラックマウント型をおすすめします。ただし、特に希望がなければタワー型をおすすめします。

NASは通常のハードディスクとは違い、サーバーやパソコンと同様にOSを搭載します。NASを選ぶ上で、ストレージ容量やRAID構成と同様に、搭載するOSもご使用の用途に合ったものを選びましょう。こちらでご紹介するOSは、「Linux」と「Windows Storage Server」になります。
「Linux」は、メーカー等がソフトウェアを開発しているオリジナルOSモデルになります。「Windows Storage Server」は、Microsoft社のファイルサーバー用のOSになります。

50人程度のオフィスや部門内でのご使用など、小規模におけるご使用の場合は、Linux搭載のOSをおすすめします。Windows Storage Server搭載のOSより比較的お求めやすい価格で、主にデータ保管用としてファイル、データを管理するのにおすすめです。Linux搭載OSは、出荷時から共有フォルダーが作成されているため、初期設定に時間を要さずにファイル共有をはじめることができます。社内に専任のシステム管理者がいない場合でも、導入ハードルが比較的に低く、初めてのNAS(一台目)としてはおすすめのOSになります。

100名以上のオフィスや、大勢の利用者がご使用の場合は、Windows Storage Server搭載のOSをおすすめします。Linux搭載のOSに比べて、ユーザーの同時アクセスに強いだけでなく、Windows クライアントとの高い親和性を発揮します。
Windows Storage Server搭載のOSは、設定の自由度が高い分、使い始めるまでの初期設定に時間を要する場合があり、システム導入者にもスキルが必要となります。しかし、 Windows 標準インターフェイスのため、Windows Serverの導入経験者にとってはストレスなく運用ができるとも言えます。また、既設でWindows Serverが設置されている場合の親和性は高く、1,000人を超えるようなユーザー総数の多いActive Directory環境のレスポンス面でも有利です。

各OSのスペック比較

RAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks、レイド)とは、複数のHDDをひとつのHDD(仮想HDD)のように認識・表示させる技術です。万が一のHDD故障時にもデータ復旧、アクセスを可能にする安全性の向上や、複数HDDへの分散書き込みによるデータ保存の高速化など、各RAIDモードにより「高速性、安全性、保存可能容量」の特徴があり、用途に合わせて様々なストレージ構築が可能です。 特にビジネスシーンなど、高い信頼性を必要とするデータのストレージとして利用されています。
RAIDにはCPUの管理方法の違いによる「RAID対応」と、機能の異なる「RAIDモード」がいくつか存在します。お客様のご利用目的に合わせて、商品をお選びください。

RAIDにはいくつか種類がありますが、CPUによるRAIDの管理方法の違いでハードウエアRAIDとソフトウエアRAIDの2種類に分けられます。メインCPUはOSやアプリを担当、RAID CPUはRAID構成を担当とそれぞれ管理を分担しているのがハードウェアRAIDです。一方、メインCPU1つでOSやアプリの処理からRAID構成まで複数のディスクを全体管理しているのがソフトウェアRAIDです。

ハードウェアRAIDはRAID CPUの処理により、低負荷かつ高速処理を行うことできるため安定動作が実現されています。ただし、ソフトウェアRAIDに比べて高価だったり、設定が難しくなる場合があります。
一方、ソフトウェアRAIDはハードウェアRAIDよりも比較的安価ですが、CPUにRAIDを制御する負荷がかかるため、バックアップに時間がかかったりとパフォーマンスを低下させる原因にもなります。
高価でも高速性を求める場合はハードウェアRAIDを、価格重視の場合はソフトウェアRAIDを選ぶと良いでしょう。

下記の各RAID(レイド)モードの特徴と、想定する運用方法があっているものを選んでください。
(RAIDモードがお決まりの方は「ストレージ」選びへ)

「コストを抑えて、とにかく速くアクセスしたい。」

RAID 0は、特に書き込み・読み込み速度を重視。
各HDDに対して、ファイルを分散して書き込み・読み込みを行うため、アクセス速度が速いのが特徴です。また、HDD容量の合計を最大限に利用できることも特徴です。
しかし、1台でもHDDが故障した場合、データ復旧ができません。

冗長性(HDD故障限界数) 書込速度 読込速度 実効容量
なし(0台) n x HDD容量
  • n:HDD数

構成しているHDDが1台でも故障すると復旧・アクセスともに不可能となります。

  • RAID0は2台以上のHDDで構成します。
  • HDDの数が多いほどアクセス速度が高速となります。
「コストを抑えつつ、最低限の安全性を得たい。アクセス速度は、さほど気にしない。」

2台1組のHDD(アレイ)でデータを2重化して保存。
片方のHDDが故障しても、全てのファイルデータが残ることが特徴です。
HDD2台を1組のHDD(アレイ)として、2台にそれぞれ同じデータを保存します。同時に2台のHDDに対して、ファイルをブロック単位で書き込み・読み込みを行います。ただし、保存容量が1/2になってしまいます。

冗長性(HDD故障限界数) 書込速度 読込速度 実効容量
任意の1台まで (n/2) x HDD容量

片方のHDDが故障しても、もう片方にすべてのデータが残ります。片方を新しいHDDに交換することで、復旧前の状態に戻ります。

  • RAID1は2台のHDDで構成します。(HDDの追加はできません)
  • RAID1でHDDを増やしたい場合は、RAID10の構成となります。
「安全性とアクセスの速度もそこそこ得たい。」

RAID1+RAID0の構成を持つことが特徴です。同じデータを2台1組で保存(RAID1)、さらにデータをブロック単位で分散し保存(RAID0)します。復旧は、同じデータを保存したHDD同士が同時に故障しない限り、最大2台までのHDDの故障に対応できます。ただし、保存容量が1/2になってしまいます。

冗長性(HDD故障限界数) 書込速度 読込速度 実効容量
ペアの1台まで (n/2) x HDD容量

HDDが2台故障した場合も、ペアとなるデータを保存したHDDが正常であれば復旧が可能です。
<注意>
同一RAID1グループ内で2台のHDD障害が発生した場合は復旧不能となります。

  • RAID10は4台以上の2台1組単位でHDD構成します。
  • HDDの数が多いほどアクセス速度が高速となります。
「安全性もデータ実効容量も速度もバランスよく得たい。」

「パリティ」と呼ばれる冗長コードが生成されて書き込まれるのが特徴。
これにより、構成HDDのうち1台に障害が発生しても、残りのデータとパリティを元に欠損したデータを算出、完全な状態のデータを生成することができ、耐障害性を高めた構成となっています。
パリティ演算が必要なため、CPUに負荷が掛かり速度は低下します。

冗長性(HDD故障限界数) 書込速度 読込速度 実効容量
任意の1台まで (n-1) x HDD容量

HDD1台の故障まで復旧可能です。欠損したデータは毎回演算によって算出される為、速度は低下します。
<注意>
2台のHDD障害が発生した場合は復旧不能となります。

  • RAID5は3台以上のHDDで構成します。
  • HDDの数が多いほどアクセス速度が高速となります。
「コストがかかっても、安全にデータを保管したい。」

基本的にはRAID5の機能にプラスして、パリティを2重に生成して別々のディスクに記録し、より耐障害性を高めた構成になっています。

RAID5では2台のHDDに障害が発生した場合は回復不能となりますが、RAID6では2台のHDDに障害が発生した状態でもシステムとして稼働します。
データから2重にパリティー(誤り訂正符号)を生成し、データとともに複数のドライブに分散して記録します。

冗長性(HDD故障限界数) 書込速度 読込速度 実効容量
任意の2台まで (n-2) x HDD容量

2台故障まで復旧が可能です。RAID5よりも、さらに高い耐障害性のため、速度は特に遅くなります。
<注意>
3台のHDD障害が発生した場合は復旧不能となります。

  • RAID6は4台以上のHDDで構成します。
  • HDDの数が多いほどアクセス速度が高速となります

ストレージ容量とは、データを保存・保管できる容量を示します。たとえば、1TBなら1TB容量分を使用可能ですが、NASのストレージ(データ)容量は、RAIDモードによって実効容量(実際に保存できるデータ容量)が異なる場合があります。

  1. データを保存する容量を決めてください。
  2. RAID(レイド)モード選びのコツ」をご確認いただき、RAIDモードを選択してください。
  3. 2で選択したRAIDモードの「実効容量」の計算式から、必要となるストレージ容量を算出してください。
例1:
1:2TB、2:RAID1(ミラーリング)、3:A、とした場合、2の実効容量の式「(n/2)×HDD容量」を利用して、下記のようになります。

2TB=A/2
2TB×2=A/2×2
4TB=A

(※NASの購入時に搭載されているHDDは、全て同一容量になるため、計算式もそれに合わせています。)
また、参考例も記載しています。

NICとはNetwork Interface Card の略で、LANカードやイーサネット(Ethernet)カードとも呼ばれます。パソコンなどで LAN に接続するためのインターフェース(接続口)のことを指します。NICには最大通信速度が異なるいくつかのイーサネット規格があります。また、それぞれの規格に対応した機器やLANケーブルを使うことで速度を緩めずに、データの送受信を行うことができます。

イーサネット規格 通信速度※1 ケーブルのカテゴリー規格※2
100BASE-TX 100Mbps CAT5以上
1000BASE-T
(1Gb Ethernet)
1Gbps CAT5E以上
10GBASE-T
(10Gb Ethernet)
10Gbps CAT6A以上

イーサネット規格と通信速度、対応するケーブル規格の例

  1. 通信速度
    1秒間に通信することができるビット数を表し、単位は「bps(ビット パー セコンド)」です。1bpsは1秒間に1ビット通信できます。8ビット (=1バイト)が半角英数字1文字分のデータサイズです。同じ単位では数値が大きいほど1秒あたりに送受信できるデータ容量が大きく・速くなります。

    8ビット=1バイト(単位:B)
    1,024バイト=1キロバイト(単位:KB)
    1,024キロバイト=1メガバイト(単位:MB)
    1,024メガバイト=1ギガバイト(単位:GB)

  2. ケーブルのカテゴリー規格
    LANケーブルにもカテゴリー(CAT)と呼ばれる規格があり、カテゴリーによって通信速度が異なります。NASに限らず、HUBやスイッチなどLAN接続する商品はネットワーク環境に適応したカテゴリーのケーブルでないと通信速度が遅くなってしまうことがあります。カテゴリーの数字が大きいほど通信速度が速く、対応するイーサネット規格も増えます。
    ケーブル本体や差込口に印字されている商品もあり、一度お持ちのケーブルがどのカテゴリー規格なのか確認してみるとよいでしょう。

10Gb Ethernet は1秒間に1.25GBのファイルをダウンロードすることができるため、大容量のデータをNASに格納/引き出すのに向いています。ただし、比較的価格が高くなり、また10Gb Ethernet に対応しているルータやケーブルがないと通信速度が遅くなる可能性もあるため注意が必要です。各部門で所有しているNASのバックアップサーバーとして利用する場合等は10Gb Ethernet対応商品をおすすめします。
一方、大容量のデータやりとりを頻繁に行わない方は、10Gb Ethernetよりも通信速度は劣りますが比較的価格が安い1Gb Ethernet対応やその他商品を選ぶのをおすすめします。

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